欲しいものなんてすぐに手に入った
金、女、権力やら地位…
いや、そんなの本当に欲しかったのかは分からねえな。
だが、
なんでこんな薄汚ねえ犬みてえな野郎だけは思い通りにならないかね。
おい、聞いてんのか?
つーか生きてんのかよ。
カカカッ
良いねえ。その眼だよ。
ゾクゾクするっつーか、もうやっぱり最高だなアンタ。
あ?出せって?
出すわけねーじゃん。せっかく手に入れたのにさ。
あー…手に入れたんだよな?
ん、もう餌の時間か。
ほら。
キキッ
俺、餌食うアンタが一番好きかも。
すげえ顔して食ってるもん。
なら食わなきゃ良いのに食うんだよな。
…おい、カイジ。
好きだよ、欲しいのはアンタだけだ。
なんつーかさ、本当に檻の中に居るのは俺の方なんだよ。きっとな。
ククッ
でもさ、最近ちょっと後悔してんだぜ。
後悔とはちょっと違うかな?
あー…まあこれでいいんだろうな。やっぱ今のナシ
じゃあ俺はちょっと仕事で出るから。
良い子にしてるんだぜ?カイジさん。
鍵はここに置いとくからさ。
坊カイ と書いておけばなんでも坊カ(ry
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カイジさんが俺から逃げる
何故?
逃げ切れる訳がないと分かっていながら
足をもつれさせて逃げる
俺から離れていく
何故泣いてるの
好きだよ、カイジさんだけ
ずっと傍にいるから
泣かないで
カイジさん、カイジさん、カイジさん
ほら、ね、捕まえた、から
もう逃げないで
もう泣かないで
愛しい人は散々叫んだせいで枯れた声で
俺の名前を呼んだ
大丈夫、カイジさんだけ大好きだよ
俺から離れようとする足ならへし折ってしまおうか
俺を見ようとしない目なら潰してしまおうか
俺の声を聞こうとしない耳なら削ぎ落としてしまおうか
俺のことを考えない頭なら
「ねえ、ころしていい?」
ゆっくりと首に指を絡めて、締め付けていく。
カイジさんの口が動いたけどもう声がよく聞こえない。
心配しないで、ずっと一緒だから
寂しくないよ
カイジさんだけ大好きだから
「な…く、な……」
カイジさんが何か言ったけど言葉の意味がよく分からない。
考えるのも面倒で、もう一度聞こうとしたら
愛しい人はもう暗闇の中に溶けて消えていた
まあいいや
寂しくないからね、カイジさん
ずっと一緒だから
ずっと
アカカイ と書いておけば何でもアカカイ(←
「好きだ…カイジさん、あんただけが…」
部屋の隅で、あの日あの人に告げた言葉を呟いた。
独り誰もいない部屋に響いた言葉は虚しく漂って消えた。
少なくともあの日だけは、この言葉があの人の耳へ届いていた。
ただ、その言葉があの人の心に届くことはなくて、
次の日からあの人はバイトにも来なくなって
連絡も途絶えた。
俺から逃げるようにして消えていった。何も残さず。
ただ俺に痛みだけ残して。
バイトはすぐに辞めた。
あの人が居ないそこには意味が無く、ただ続けていても虚しさが募るだけだった。
あの人が居なくなって
何を食べても味がしなくて
何を見ても色がなくて
何をしても笑えなくなった
膝を抱いた腕がカタカタと震える。
あの仏頂面が好きだった。
あの泣き顔が好きだった。
あの笑顔が好きだった。
あの人を思い出すだけで、胸は締め付けられるように痛くなる。
涙は枯れてもまだ頬を伝った。
自分はこんなに弱い人間だっただろうか。
「カイジ、さんっ…」
言葉にするとどうしようもなく苦しさが増す。
呼吸の仕方が分からなくなる。心臓が痛くなる。
胸のあたりをギュッと掴んでみても一向に過呼吸が納まらない。
「嫌、だっ……もう、たすけてっ…」
会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい
あいたい。
俺は狂っているのか。
涙でぐしゃぐしゃになった顔を膝に擦りつけて、嗚咽とも呻きともとれない掠れた音を喉が鳴らしていた。
「会いた、い……カイジ…さん、に…会いたいっ…!」
あんたに会えないなら。
あんたの笑顔が見れないなら。
あんたの声が聞けないなら。
すべてが無意味で
すべてが 「カイジさーん」
佐原はレジの周りにくるりと渡されているモールを外しながらカイジに話しかけた。
「あー」
めんどくさそうに返事をするカイジもまた、商品の棚の周りのモールを外している。
二人の居る店内に流れるBGMはもう、昨日までさんざん聞いていたクリスマスソングではない。
「店長がね、期限過ぎたケーキとかは食ってもいいって昨日言ってました。」
「いらねえよ、ンなもん…佐原食え。」
「えー、でも結構量あるんスよ。」
「別に食いきれなきゃ捨てりゃあ良いだろ。」
「またまたー。カイジさん実は甘党なくせに。」
「う、うるせえなっ…!気分じゃねぇんだよ!」
「まぁまぁ。俺カイジさんとケーキ食べたいんスよ。ね、いいでしょカイジさん。」
カイジがレジの方に視線を向けると、笑顔を浮かべる佐原と目が合った。
悪意のない笑みに思わずたじろいでしまう。
…佐原の笑顔は苦手だ。
「…どんぐらいあんだよ。」
目を外して呟く。その言葉に佐原は眼を細めてクックッと笑った。
「やっぱ甘党っすよね?なんだかんだ言って。」
「うるせえっつってんだろ…!量聞いてんだよっ…!」
「えーっと、ピースで50個ですね」
「ご、ごじゅ……」
「25ずつで、仕方ないから甘党なカイジさんに俺から20ピースプレゼントしちゃいます。」
「お、おま…佐原っ……!!」
「じゃーお茶沸かして来ますねー。」
佐原はそのままさっさとバックヤードへ消え、カイジは自分の手に握られたモールの束を一瞥した。
「休憩するか…。」
溜息をついた後、佐原の居るバックヤードへ向かって足を進めた。
すぐにお目にかかるであろう大量のケーキに胸やけを覚えながら。
いや、君ら業務しようよ。
「…アカギー」
「どうしたのカイジさん。」
「あの、ちょっとこれ…作ってみたんだけど…。」
「ん、何?」
「ええと、何ていうか…な。」
「カイジさんこれ…すごいフリルのついたドレスだね…。」
「うっ…。」
「すごい悪い予感しかしないんだけど、俺はコレをどうすればいいの?」
「う、うー…その…着てみてくれないか…?」
「…そういう趣味だったんだ。」
「いや、違うっ…!違うからな!?ただ、アカギって色白いしその、綺麗な顔立ちしてるし…ひょっとしたら…似合うかもって…うぅっ…やっぱり捨ててくる…っ!」
「…泣かないでカイジさん。何も着ないとは言ってない。」
「え、じゃあ…!」
「ただし、一つ俺が何かを身につける度に一回カイジさんからキスしてもらう」
「……は?そんなんで良いのか」
「………え」
「じゃあこれとこの靴と帽子!よろしくな!」
「…カイジさん?」
~試着後~
「やっぱり似合うな…。」
「嬉しくない」
「俺が嬉しいんだよ。」
「それよりキス」
「あー…それだけどな、……」
「……カギ、アカギ!おいっ、アカギ!」
「……んー」
「起きろって!いつまで寝てんだよ!」
「カイジさん…キスは…?」
「なに寝ぼけてんだ馬鹿。」
「夢…?」
「知らねーよ、さっさと起きろ!」
「…最近ひどい夢をよく見る。」
アカギの女装は見てみたい。カイジさんのバニーとどっちが見たいかというと難しいところです。
ところで一回だけ夢にアカギが出てきたことがあります。何故か学校(高校?)の下駄箱前で、少人数で一緒に走り幅跳びの授業を受けてました。
でも教科書みたいなの読んで問題といてるだけなのでアカギの「フワッ…」も見れずじまい。
しかもアカギと話すわけでもなく、アカギが何か言ってたんですがそれも覚えてません。ヽ(^0^)/
もう一回出てきてくれ…っ!できればカイジも…っ!ていうか誰でもウェルカム…!