優しいキスに涙が出た
「好きだよカイジさん」
甘い言葉が耳に流れて、俺を体の芯からゆっくり溶かしていく。
あぁ、これは毒だと思う
「カイジさんだけ、大好き」
震える手で、その口を覆った。
これは嘘だから。
聞けば聞くだけ俺をボロボロに壊していく毒だから。
アカギは勝手だ。
アカギは嘘つきだ。
アカギは我儘だ。
「泣かないで、カイジさん」
いつの間にか、やんわりと腕を掴まれて
嘘しか言わないアカギの口を覆っていた手がどかされていた。
「大丈夫だよ。大好きだから。」
そんなのは嘘だ。
だけど
「俺は、アカギが、大嫌いだっ……!」
俺も嘘つきだ。
こんなにも命を軽率に扱うアカギは
きっといつか、俺を残して先に逝く
そうなっても別にこいつは少しも感じないだろう
未練とか
後悔とか
感傷とか
俺は
アカギみたいにはなれない
アカギが大好きだから。
「俺はカイジさんのこと好きだよ。」
嘘だ
嘘、嘘、嘘……
「アカギ、ひとつだけ…」
「なに?カイジさん」
「アカギがしぬ時は、その前に俺をころしてくれ」
アカギは少しだけ困ったように笑った
いいだろ別に、それくらい。
これは罰だ
嘘つきなお前と
嘘つきに騙された俺への罰だ
涙は枯れない
嘘と同じように、深く深く嵌っていく
カイジさんにも病んでもらおうと(ry
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